仮想通貨が「なぜ危ない」か、説明できますか?
危ないと思っていても「具体的に何が危なくてリスクなのか」は、言語化できなかったりします。
よく分からないから「危ない」の一言になってしまいますが、リスクを理解したら腹落ちして、仮想通貨がずっと身近に感じられます。
この記事では、実生活に置き換えて、仮想通貨のリスクを紹介します。
仮想通貨って危ないの?
名前は周知された暗号資産(仮想通貨)ですが、歴史は浅い新しい技術。
一般の方には、まだ縁遠い存在です。
「仮想通貨」というワードをメディアで見かけるのは詐欺事件くらい、という方も多く、ネガティブなイメージもありますよね。
危ないか、危なくないかの二択で言えば、危ないです。
仮想通貨と関わるなら気をつけるべき点もあるので、リスクはあります。
そのため、二択なら、危ないです。
仮想通貨だけではなく、インスタだってTickTokだって、なんだって関わればリスクはあります。
仮想通貨のリスクは車の運転と同じ?
例えば、自動車の運転と同じです。
車を運転するなら、事故を起こすリスクは確実にあります。
運転しなければ、自分が加害者になるリスクはゼロです。
その代わり、行動範囲が広がるというメリットは享受できません。
だからこそ、教習所に通い、ルールを守って運転して、事故を起こすリスクを最小化する訳です。
仮想通貨はお金と直結するので、更にリスクを感じますよね。
ただ、時代は明らかに新しいフェーズに来てしまっています。
頭ごなしに「危ない」だけだと、少々ナンセンス。
実際に自分が仮想通貨を触らなくても、何がリスクなのか理解するだけでも大人の嗜みかも。
何が危ないか、ざっくり言語化できるとスマートですよね。
仮想通貨のリスク
では、具体的に暗号資産(仮想通貨)には、どんなリスクがあるのかを解説します。
- 価格変動
- 盗難
- 詐欺
暗号資産の運用を考えている方は、デメリットも理解しておきましょうね。
価格の変動が激しい
一番のリスクは、価格変動です。
株や為替などに比べて、暗号資産は価格変動が大きいです。
値動きが激しいため「ハイリターン」が望めますが、その分「ハイリスク」です。
「余剰資金でトレードする」「レベレッジをかけない」など、自分なりの投資のルールを決めて、状況に流されないようにしましょう。
変動して危ないなら、日本円でいいじゃん?
と、思う方も多いでしょう。
100円は、永遠に100円だし?
100円という「単位」は永遠です。
でも、価値は変動しています。
島国に住む私たちは、海外に行く時くらいしか、為替を実感することがあまりありません。
でも実際は、「日本円の価値が下がっている」ということを、日本国内でも直面はしているんです。
2022年7月に、Appleが日本での製品を値上げしましたよね。
あれは、Apple目線だと、日本で値上げしたのではありません。
「円安になったから、そのレートに価格を合わせた」だけです。
円の価値が相対的に下がったので、相場に合わせて製品の価格を調整したんです。
その証拠に、アメリカでは価格は改定されてません。
もちろん、仮想通貨の価格変動に比べたら僅かな変動ですが、円の価値も変動しています。
盗まれる可能性がある
次のリスクは、資産の流出です。
暗号資産はネット上で取引されるので、ハッキングによる盗難の可能性があります。
過去にも、大きなハッキング事件がありました。
事件 | 内容 |
---|---|
コインチェック事件 | 2018年、国内仮想通貨取引所Coincheckで、ハッキングにより580億円相当のNEM(ネム)が流出。日本円で返金。 |
マウントゴックス事件 | 2014年、取引所マウントゴックスのサーバーがハッキングされ、470億円相当のBTC(ビットコイン)が流出。事件当時よりも価格が上昇したため、債権者へBTCが返還される予定。 |
流出後の対応は、取引所次第です。
コインチェック事件では、日本円で返金されました。
コインチェックのハッキングの原因は、インターネットに接続した状態で管理する「ホットウォレット」を使用していたからでした。
仮想通貨自体が危ないと言うより、管理方法が甘かったんです。
ホットウォレットは、言わば、お店のレジみたいなものです。
一応鍵は付いてますが、すぐにお金を取り出せます。
この事件をきっかけに、セキュリティ体制を見直し、Coincheckでは「コールドウォレット」に管理方法を変更しました。
インターネットから切り離して、オフライン上で管理するコールドウォレットは、金庫みたいなものです。
マネックスグループの傘下に入り、セキュリティを強化したCoincheckは、現在は、国内最大級の取引所になっています。
この事件は、コインチェックだけでなく、仮想通貨取引所全体の、セキュリティ体制を見直すきっかけになった事件です。
皆さんも、内容チェックしておきましょう。
現代は、トヨタだってサイバー攻撃を受ける時代です。
正直、取引所のハッキングは、個人レベルでは防げません。
事件後にどのような対策をしているか、情報を追うことが大切です。
私たちが出来ることは、セキュリティ対策がしっかりしている取引所を選択すること。
また、仮想通貨を扱うPCやスマートフォンのウイルス対策を万全にしておくのも、大事です。
盗難の可能性を頭に入れて、複数の取引所を利用し、資産を分散するのもリスク回避になります。
取引所って、絶対に破綻とかはないの?
山一證券だって破綻しました。
あの一部上場企業だって破綻しました。
絶対はもうありません。
本音では私も「絶対」な時代に生きたかったです〜
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サーバーが落ちる
利用者が多い暗号資産の取引は、サーバーが落ちてしまうこともあります。
サーバーが落ちて売買のタイミングを逃すと、価格が下がった時には大損する可能性があります。
仮想通貨のネットワークがダウンし、資金が移動できないなんてもこともあります。
2022年6月に、Cloudflareが大規模なネットワーク障害を起こしました。
Cloudflareは、コンテンツ配信ネットワークです。
世界中の多くのサイトやアプリがCloudflareを利用しているので、インターネット全体に影響が出ました。
私は、DeepLという翻訳ツールを使おう思ったら動かなくて、ネットワーク障害に気づきました。
この辺のシステム上の問題は、私たちの力ではどうにも出来ません。
出来ることは、サーバーの強い取引所を選ぶこと。
そして、ダウンの可能性を理解して、パニックならないようにすること、ですね。
詐欺が多い
お金が絡むので、詐欺が多いは事実です。
でも、仮想通貨に特化した詐欺ではなく、手法は実にオーソドックス。
以前からあるような詐欺が、仮想通貨を新たな主戦場として、参入してきているだけです。
「投資詐欺」と言うと壮大に聞こえますが、内容はこんな感じ。
- 知り合いからの詐欺
- ネットでの詐欺
- フィッシングの詐欺
知り合いからの詐欺
よくニュースになる投資詐欺は、知り合いから詐欺案件を勧められるというパターンです。
「儲かるから」
「何千倍になるから」
「年利〇〇%」
誘い文句は分かりませんが、いつの時代も、どの商材もありますよね。
例えば、ネットワークビジネス。
「痩せるよ」
「芸能人に会えるよ」
「儲かるよ」
商材自体は良いものもあるのかもしれませんが、儲かる仕組みとしては、先行者が儲かります。
ディストリビューター・販売店、名前は色々でしょうが、紹介して下のラインを増やすことで上が儲かるように出来てます。
この手法は、何十年も前から存在していて、仮想通貨に特化した特別な詐欺ではなく、場所が仮想通貨になっただけです。
超美味しい話をリスクなしで話してくる時は疑って、自分で調べましょう。
ネットでの詐欺
TwitterのDM経由で仲良くなった人から儲かる案件を教えてもらった。
その人を信用して仮想通貨を送金したら、そのうち音信不通に。
投資詐欺だった。。。
最近、よくあるようで、取引所でもTwitter経由の送金を注意喚起しています。
これも、一昔前に流行った手法で、よくあるサクラですよね。
「久しぶり〜」とSMSに連絡がきて、連絡を返したものの、知らない人だった。
でも、そこからやりとりがスタートし、何だか仲良くなった。
何だか理由をつけられて、もっとメールのやり取りするには、外部経由でと言われて、URLへ誘導されて課金スタート。
流れは、同じです。
サクラが外部に誘導して、お金を入金させるパターン。
かつては投資詐欺という名前じゃなかっただけで、全く同じ手法です。
私も、セクシーなアイコンの海外女性からよくフォローされます。
フィッシング詐欺
詐欺の中では、フィッシング系が一番注意が必要です。
詐欺サイトにウォレットを連携してしまい、中に入った仮想通貨が盗まれた。
自分のウォレットに知らないNFTが入っていて、中身を確認したら詐欺。
ウォレットの資金を抜かれた。
プロジェクトの公式Twitterアカウントと思ったら、偽アカウント。
気づかないで、そこから詐欺サイトにウォレットを繋いでしまった。
私自身も、フォローしている公式Twitterの偽公式がタイムラインに流れてきて、気付かずにリンクを踏んだことあります。
偽と気づいたのは、中を読んでいて、キャンペーン内容が何だか奇妙だったから。
元のツイートを見たら公式マークがなかったので、偽公式アカウントと気づきました。
他の詐欺に比べて巧妙で、一番可能性があります。
ただ、手法自体は、オーソドックスですよね。
大手通販サイトと思ったら、偽のウェブサイトだった。
ショッピング後に商品が来ない。
偽アマゾンや、偽ドコモからSMSがきた。
リンクを開いて誘導されるままにアカウント情報を入れたら、個人情報を抜かれた。
以前は日本語が奇妙だったりしましたが、今は本当に巧妙。
偽と本物が分かりずらいので、周りでもフィッシング被害者が何人かいます。
知人は、フィッシング後にクレジットカード情報が流出し、120万円を不正利用されました。
仮想通貨界隈のフィッシングも、同じは流れです。
仮想通貨界隈の詐欺の手法は、実際のところ、ベタで古典的です。
テクノロジーを使った、新種の詐欺でもなんでもないんです。
顔がAIで合成できちゃうディープフェイク詐欺なんかの方が、よっぽどテックです。
仮想通貨のリスクのまとめ
車の運転と同じで、仮想通貨に関わるからには、リスクはあります。
車に乗らない以外に、リスクをゼロには出来ません。
リスクを理解した上で、メリットを選ぶかどうか、です。
ホリエモンは、車の運転が好きだったけれど、もう自分では運転しないそうです。
理由は、彼は著名な経営者なので社会的な責任が重く、事故を起こした時のリスクが大きすぎるから。
リスク回避だけでなく、移動中に仕事ができるので、自分で運転しないことで得られるメリットもあるでしょうね。
それが、ホリエモンの車に対する選択な訳です。
私が好きなエコノミストのエミン・ユルマズミンさんは、仮想通貨にかなりネガティブです。
でも、エミンさんは知識を備えた上での、ネガティブ派です。
私の頭の中が、仮想通貨万歳にならないように、エミンさんの意見も見るようにしています。
今の仮想通貨は、2009〜2010年のiPhoneと似ているなと感じています。
名前は浸透してきたけど、一般層には受け入れられていない。
今後どうなるかは分からないですが、昨今の新しい波であることは間違いです。
メリットとデメリットを把握して、自分なりのスタンスをチョイスしていきましょう。
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